生活用品のついでに広がる、ご当地と日常の食の楽しみ
ネットスーパーでの買い物は、その日の献立を考えるためというより、生活に必要なものをまとめて確保する手段として利用しています。
家にいながら注文でき、想像以上に早く届くため、外出できない日や、実店舗が閉まっている時間帯でも、必要なものを揃えられる点は実用的です。また、買い物に出る時間を別の用事に使える点も、忙しい日には助かります。
洗剤や日用品、冷凍庫の定番食材など、日常的に消費するものを中心にカートに入れながら、実店舗ではあまり見かけない商品があれば、試しに一緒に注文することもあります。
ネットスーパーでは、複数の店舗やメーカーの商品を一覧で確認できるため、移動せずに比較できる点も特徴のひとつです。特に食品については、地域性のある商品や、限られた流通の商品が並ぶこともあり、実店舗とは違った選択肢が見つかります。
今回の買い物も、特別な日のためのものではありません。生活用品と一緒に日常的に使うものを揃え、その中に、関心を持った商品をいくつか加えた、普段どおりのネットスーパーでの注文です。
この記事では、ネットスーパー「グリーンビーンズ」で購入した5品について、商品やメーカーの背景、実店舗や東京のデパ地下での流通状況、そしてネットスーパーで購入する意味を整理しながら紹介します。
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※この記事には広告を含みますが、紹介する商品・サービスは公平な立場で選んでいます。
ネットスーパーは「高い」だけではない
ネットスーパーというと、「便利だけれど価格が高い」という印象を持たれることがあります。確かに、少量パックの商品や即食系の商品は、割高に感じることもあります。必要なときにすぐ届く分、価格よりも利便性が優先されている商品も少なくありません。
でも一方で、ネットスーパーだからこそ成立する、価格と品質のバランスが良い商品がある
というのも、実際に使ってみて感じていることです。
生活用品や日常使いの食材をまとめて注文する中で、
「これは思っていたより手に取りやすい」
「この内容でこの価格なら納得できる」
と感じる商品に出会うこともあります。
今回の買い物では、その両方を実感することになりました。
海外の家庭料理を、日常の延長で楽しめる冷凍食品。
地域に根ざしたメーカーが作る、素朴なお菓子。
そして、流通設計が見える、日常使いの食材。
まずは、その中でもネットスーパーで選ぶ意味を強く感じた商品から、紹介していきます。
① ピカール「クロワッサン」
フランス発・冷凍食品専門ブランド
フランス産の小麦粉・砂糖と、EU産のバターを使用。家庭で焼くだけで本場フランスのクロワッサンが楽しめます。焼き上げるときに立ちのぼるバターの香りが素晴らしく、中はふわっと外はサクッと焼きあがる、ピカールの人気NO.1商品です。
ピカールは、フランス生まれの冷凍食品専門ブランド。ヨーロッパでは、冷凍食品は特別な存在ではなく、日常の選択肢のひとつとして、当たり前に使われています。
- ピカールの起源は 1906年
- フランスのフォンテーヌブローで、もともとは製氷会社(氷をつくる会社)として始まりました。 ウィキペディア
1974年:パリに 初のピカール冷凍食品専門店 をオープン
1906年:フォンテーヌブロー製氷社(Les Glacières de Fontainebleau)として設立1920年:ピカール家が買収
1962年:レイモン・ピカールが社長に就任し、「Les Établissements Picard」に改名して冷凍食品販売へ転換
ピカールのクロワッサン 人気NO.1商品

ピカールのクロワッサンは、フランス産の小麦粉とバターを使用し、家庭で焼き上げることで完成するタイプ。
クロワッサンは、焼きたてをすぐに食べるパンではありません。ピカールの表示にもあるように、焼き上がり後、10分ほど置いてから食べるのがおすすめです。
焼成直後は、バターがまだ生地の中で落ち着いておらず、層の食感や香りが十分に感じられないことがあります。少し時間を置くことで、層が安定し、サクッとした食感と風味がより引き立ちます。
私は休日の朝食時に、このクロワッサンを焼きます。朝から家じゅうがバターの香りに包まれて、そのうちクロワッサンの香ばしい香りがしてきます。おいしそうな香りに包まれながら、カフェオレをいれて、のんびり朝食を楽しむのは本当に贅沢で癒しのひと時です。これが、クロワッサン1個146円で楽しめます。
実店舗 お近くのピカールは?
- 東京・青山骨董通り、自由が丘、ソコラ武蔵小金井、神楽坂などに直営店があります。
- 一部百貨店・高級スーパーで限定展開
ピカールのオンラインショップもあります。実店舗、公式オンラインショップ、ネットスーパーでの購入で、それぞれ、品ぞろえ、セール時期や価格が異なります。他の買い物との都合が良いところで購入しています。
ネットスーパーで買う意味
実店舗では店舗数や品揃えに限りがありますが、ネットスーパーでは、お店に行かなくても欠品のものは表示されています。実店舗のオンラインもありますが、ネットスーパーは他の日用品や他のメーカーの商品と一緒に買うことができるのも、魅力です。
「わざわざ買いに行かなくても、この満足感」を得られるのは、忙しい日常にはちょうどいいと感じています。冷凍保存なので、真夏の時期でも、玄関まで温度管理されて届きます。
以前、真夏に実店舗でクロワッサンを購入して持ち帰った際、保冷バッグにドライアイスを入れていたにもかかわらず、生地が溶けてくっつき、つぶれてしまったことがありました。
購入時には、帰宅までにかかる時間を聞いてくださり、それに見合った量のドライアイスも入れてもらっていました。ただ、その帰りに別の買い物に立ち寄ってしまい、予定よりも時間がかかってしまったため、冷凍状態を保つのが難しくなってしまったのだと思います。冷凍食品を購入したら、一目散に帰らなくてはなりません。
致命的に食べられなくなったわけではありませんが、生地が一塊になってしまい、フォークで思いきり刺して、ひとつひとつ剥がす必要がありました。

真夏に実店舗で購入し、持ち帰った際に溶けてしまった冷凍クロワッサン生地。保冷対策をしていても、気温や移動時間によっては状態が変わってしまうことがあります。
そのまま焼いてしまえば、生地は膨らみ、見た目としてはクロワッサンの形にはなります。ただ、フォークで剥がした跡は残り、本来のきれいな層とは少し違った仕上がりになりました。
②ピカール「鴨脂で揚げたフリット」
日常の延長で楽しむ、フランスの家庭料理
グリーンビーンズでピカールの商品を購入しました。

フランスでは、じゃがいもはとても身近な食材です。マルシェに行くと、じゃがいもを専門的に扱う売り場の存在感が高いのに驚きます。じゃがいもが日常の食卓に欠かせない存在であることを実感します。
特別な料理ではなく、日常の一皿として出てくるフリットが驚くほど美味しい。どこで食べても印象に残る味です。
そうした体験があるからこそ、フランスの冷凍食品ブランドであるピカールのフリットを見つけたとき、「これは一度食べてみたい」と強く思いました。
中でも、鴨脂で揚げたフリットというのは、日本ではなかなか見かけない商品です。
- フリット(frites)とは、フランス語で「揚げたじゃがいも」のこと。
- 日本でいう「フライドポテト」に近い存在ですが、フランスでは特別な料理ではなく、家庭やビストロで日常的に食べられている一皿です。
英語では「フレンチフライ」と呼ばれますが、フランスではその言い方は使われません。
フランスのバゲットを日本人が「フランスパン」と呼ぶのと、少し似た関係かもしれません
鴨脂(グラス・ド・カナール)で調理するフランスの味
鴨脂で揚げるという調理法は、フランスでは決して珍しいものではありません。特に南西フランスでは、鴨を余すところなく使う食文化があり、鴨脂は保存して、じゃがいもや野菜の調理に使われてきました。
香りとコクのある鴨脂は、フリットとの相性が良く、外はカリッと、中はしっとりとした仕上がりになります。
日本では、鴨脂そのものが日常的に流通していないこともあり、こうした調理法に出会う機会は、ほとんどありません。だからこそ、鴨脂で揚げたフリットという商品は、日本ではかなり珍しく、「現地の食文化がそのまま冷凍食品になっている」と言える存在だと感じました。
東京での流通
- 直営店では購入可能
- 一般的なスーパーではほぼ見かけない
ネットスーパーで買う意味
鴨脂で揚げたフリットは、専門店で購入すると「特別な日のもの」になりがちです。
けれど、ネットスーパーであれば、生活用品や日常の食材と一緒に注文できるため、日常の延長として取り入れやすくなります。
フランスのじゃがいも料理の延長線上にある味わいを、家にいながら楽しめる。そうしたフランスの家庭料理を、冷凍食品として気軽に試せるのは、ネットスーパーならではの楽しみだと感じています。

そのまま食べても美味しいですが、クロワッサンサンドにしても美味しかったです。
フランスで冷凍食品が日常に根づいている理由

フランスといえば、マルシェが盛んで、新鮮な野菜や果物、チーズやパンが身近にある国です。実際、街を歩くと、食材を大切にしている様子がよく分かります。
それでも冷凍食品が広く使われているのは、新鮮な食材が手に入らないからではありません。
フランスでは、良い状態のものを、良いタイミングで冷凍しておくという考え方が、食文化の中に自然に根づいています。
マルシェで買った野菜を楽しむ日もあれば、忙しい日は冷凍食品を使って、無理なく食事を整える。そのどちらも、日常の延長にあります。
ピカールの冷凍食品も、そうしたフランスの食の考え方から生まれたものなのだと感じています。ですので、冷凍食品を使うのは、手抜きという思い込みは、もう必要ないのかもしれません。
③梅屋「しゅろす」

北海道・旭川ではぐくまれた菓子処「梅屋」は、旭川をはじめとする道産の素材にこだわったお菓子をつくりつづけている菓子メーカー。
北海道が本来もっているピュアな感性と、澄んだ空気やおいしい水、森や生命の輝きを大切に、作られています。
地元寄りのお菓子|ネットで出会う素朴なおやつ
梅谷さんでは、シュークリームが有名だそうですが、「しゅろす」は、派手なパッケージではありませんが、どこか懐かしさを感じる素朴なお菓子です。梅屋伝統のシュー生地をスティック状にし、揚げていないのにサックサクな食感のチュロス。ホワイトチョコをコーティングしたプレーンとチョコの2種があるようです。
北海道産美瑛産小麦「きたほなみ」を使用しています。油で揚げていないサックサクチュロスの「ChouStick しゅろす」。軽い味わいに、優しいホワイトチョコレートとシナモンの味。また食べたい1品です。お値段も手ごろなので、今度はちょっとまとめて買おうかしら、と思いました。
東京のデパ地下での流通
- 地域に根ざしたお店で、全国のデパ地下で常設展開しているブランドではありません。
- 地方物産展・地域フェアなどで見かける可能性あり
④ あわしま堂「りんごの贅沢たると」

「あわしま堂」は、愛媛県に本社を置く老舗菓子メーカー。大福やどら焼きなど、和菓子で知られています。「美味しさつくり、笑顔つくり」をコンセプトに掲げ、お客様に喜ばれるお菓子作りに取り組んでいるメーカーです。
愛媛発・和菓子メーカーの洋菓子
目指すのは「いつも身近にあるお菓子」。定番の和菓子で日々の疲れを癒したり、季節限定の新商品をちょっとしたご褒美にしたり。季節を楽しみ、楽しさとくつろぎが演出できる商品作り、ということで、とても興味がわきました。
「りんごの贅沢たると」は、そんな和菓子屋さんが作る洋菓子で、甘さの設計がやさしく、日常に取り入れややすく、飽きの来ない味わいです。
東京のデパ地下での流通
- 常設販売はほぼなし
- 百貨店の和菓子系催事で稀に見かける程度
ネットスーパーで買う意味
地方メーカーのお菓子は、公式通販か、限られた場所でしか手に入らないことが多いものです。地元では日常的に親しまれていても、県外ではなかなか出会えない存在ということも少なくありません。
今回選んだ、北海道と愛知県の地方菓子メーカーのお菓子も、どちらも「知っている人にはおなじみ」でも、全国的に広く流通しているタイプではありません。
東京のデパ地下で常設販売されていることは少なく、催事や期間限定で見かける程度です。
公式通販を利用すれば購入できる場合もありますが、送料がかかったり、一定金額以上のまとめ買いが必要だったりと、「気になるから1つだけ試してみたい」というときには、少しハードルが高く感じることもあります。
その点、ネットスーパーに並んでいると、生活用品や日常の食材と一緒に、1個から気軽に試せる。
この“ついでに買える”という感覚は、実店舗でも通販でも、なかなか得られない魅力だと感じています。
ネットスーパーを眺めていて、「これはどこのお菓子だろう」と調べてみる。そんな時間も含めて、買い物そのものが少し楽しくなります。知らなかったけれど、試してみたい。
ネットスーパーに並ぶことで、そうした選択肢が自然に生まれるのだと思います。
北海道や愛知といった地域のお菓子を、特別な買い物としてではなく、生活用品と一緒に、日常の延長で選べる。それも、ネットスーパーを使う意味のひとつだと感じました。
⑤ 鹿児島県産 若どり皮なしむね肉(冷凍)

ネットスーパーだから出会える、価格と品質のバランス
今回の5品の中で、「ネットスーパー=高い」というイメージを一番くつがえしてくれたのが、この鶏むね肉でした。2kgの鹿児島産鶏むね肉(皮なし)が、2,463円(税込み)です。使いやすい個包装で、皮を取り除く処理がされており、鶏むね肉1枚308円の計算になります。
なぜこの価格で国産なのか
鹿児島県は、日本有数の鶏肉産地。飼育から加工、流通までが整った地域で、冷凍流通にも慣れています。
この商品は、この鶏むね肉は、皮なし・冷凍・小分けパックという点が、とてもよく考えられた商品だと感じました。家族や友人とシェアすることもできます。
皮なしなので、脂質を抑えて、たんぱく質をしっかり摂りたい人にとっては、とても使いやすい。余分な下処理をしなくていいのも、忙しい日には助かります。
さらに、4個に分かれた小分けパックになっているのも魅力的でした。1パックには鶏むね肉が2枚入っていて、一度に解凍する分量としてちょうど良いサイズです。
まとめて冷凍されていると、使う分だけ解凍するのが難しいこともありますが、この形なら、必要な分だけ無理なく使えます。(解凍する際には、時々外にトリップがもれることがあります。お皿の上にのせて解凍したほうがよいです)
たんぱく質を意識している方や、作り置き・下味冷凍をする方にも、取り入れやすい商品だと感じました。
- むね肉(需要が安定しやすい部位)
- 皮なし
- 冷凍
- 大容量2kgパック
という条件がそろっており、包装や人件費、廃棄ロスを抑えた設計になっています。そのため、品質を落とさず、手に取りやすい価格が実現しています。
ネットスーパーで買う意味
実店舗では扱いにくい形状の商品でも、ネットスーパーではそのまま提供できる。
日常的に使う食材ほど、「考えなくても安心なもの」をまとめて買えるのは、大きなメリットだと感じました。
※鳥インフルエンザについて(補足)
鳥インフルエンザは毎年冬に話題になりますが、2025年12月上旬時点では、国内の鶏肉供給が止まるような状況にはなっていません。環境省が公表している2025年12月8日現在の情報では、野鳥での確認例はあるものの、日常的に流通する国産鶏肉は通常どおり提供されています。
まとめ|ネットスーパーは、選択肢を広げてくれる

今回紹介した5品は、どれも「今すぐ必要だったもの」ではありません。
- フランスの食文化がそのまま形になった冷凍食品(ピカール)
- 実店舗ではなかなか出会えない、地方メーカーのご当地菓子
- 日常使いしやすく、価格と品質の理由が分かる国産食材
- 公式通販や催事でしか出会えない商品を、1個から試せる手軽さ
けれど、そうしたものを、生活用品と一緒に、家にいながら選べるという点に、ネットスーパーの大きな価値があると感じています。
ネットスーパーは、「忙しいから仕方なく使うもの」ではなく、日常の必要なものを効率よく揃え、自分の興味や好奇心の欲求も一緒に満たしてくれる存在です。
洗剤や日用品をカートに入れながら、ふと目に留まった見知らぬ商品をひとつ加えてみる。その小さな選択が、食や生活の世界を少し広げてくれます。それに加え、実店舗のスーパーでは見ないお買い得品も隠れていますので、毎回それを探すのも楽しいです。
そして、特別な買い物をしなくても、遠くまで出かけなくても、日常の延長線上で国内外の食文化に触れられる。それが、私がネットスーパーを使い続けている理由です。
忙しい毎日の中でも、「どんなものに出会えるだろう」と思える。ネットスーパーは、そんなふうに、暮らしの選択肢を何気なく広げてくれる存在なのだと感じています。