
- 赤魚は体に悪いと言われていて不安に感じる
- 赤魚は手軽でおいしいけれど水銀やアニサキスが気になる
- 家族や自分のために赤魚の安全な食べ方を知りたい
赤魚は価格が安い食卓の味方ですが、体に悪いという情報を聞いて食べるのを迷っていませんか?赤魚は手軽に調理できるからこそ、健康への影響が心配になりますよね。
この記事では赤魚が体に悪いと言われる理由から、赤魚の豊富な栄養価や安全に食べる方法を詳しく解説します。記事を読めば赤魚に関する正しい知識が身に付き、安心して食事に取り入れられます。
赤魚には水銀などのリスクも指摘されますが、過度に心配する必要はありません。新鮮な赤魚を選んで十分に加熱し、摂取量を守れば栄養を豊富に取れます。
赤魚は体に悪いと言われる理由

赤魚は体に悪いと言われる理由は以下のとおりです。
- 有害物質や水銀が含まれている
- アニサキス感染症のリスクがある
有害物質や水銀が含まれている
自然界にある有害物質や水銀は食物連鎖の過程で赤魚の体内に少しずつたまります。赤魚は大きくて寿命も長いため、他の魚に比べて有害物質や水銀をため込みやすい点が特徴です。有害物質としてはPCB(ポリ塩化ビフェニル)やダイオキシン類があり、赤魚の脂肪に蓄積しやすい特性があります。
赤魚の体内にたまる主な水銀は神経系に影響を与える可能性のあるメチル水銀です。大人が赤魚を食べる場合、適量であれば過度に水銀や有害物質を心配する必要はありません。ただし、胎児は水銀の影響を受けやすいため、妊娠中の方は赤魚の摂取に注意しましょう。
アニサキス感染症のリスクがある
生や加熱が不十分な赤魚を食べると、アニサキスによって食中毒になる可能性があります。生きているアニサキスが体内に入ると、数時間後に激しいお腹の痛みや吐き気が起きることもあります。
アニサキスによる食中毒を防ぐには以下の方法が効果的です。
方法 | 手順 |
加熱 | 赤魚を70℃以上加熱もしくは60℃で1分以上加熱 |
冷凍 | -20℃で24時間以上冷凍 |
赤魚をお刺身で食べたい場合、冷凍処理品を選ぶと安心です。正しい知識で赤魚を調理すれば、アニサキス感染症は防げます。
特定の人に赤魚は体に悪いと言われる理由3選

特定の人に赤魚は体に悪いと言われる理由は以下のとおりです。
- 妊婦の場合はお腹の赤ちゃんに影響を与える可能性がある
- 子どもは赤魚に含まれる水銀の影響を受けやすい
- 高齢者は体調不良になる可能性がある
妊婦の場合はお腹の赤ちゃんに影響を与える可能性がある
過度に心配する必要はありませんが、赤魚に含まれるメチル水銀が妊婦のお腹の赤ちゃんに影響を与える可能性があります。厚生労働省が注意を呼びかけている水銀が多い魚に赤魚(アコウダイ)は含まれません。ただし、赤魚と見た目が似ているキンメダイは注意が必要な魚です。
特定の魚に偏らず、さまざまな種類の魚をバランス良く食べることをおすすめします。魚の摂取量に不安がある場合、週に1〜2回程度の摂取を目安にしたり医者に相談したりしましょう。
子どもは赤魚に含まれる水銀の影響を受けやすい

子どもは大人よりも体が小さいため、水銀を含む赤魚の摂取量に注意が必要です。子どもが水銀を多く含む赤魚を食べる場合、摂取量に気をつけるよう国の指針に示されています。
一方で、赤魚には子どもの脳の発育を助けるDHAやEPAなどの栄養も含まれています。栄養バランスが取れるよう、子どももさまざまな種類の魚を食べることをおすすめします。子どもが赤魚を食べるときは、のどに骨が刺さる危険を避けるために骨を取り除いてあげましょう。
高齢者は体調不良になる可能性がある
高齢者は消化する力や免疫力が落ちるのに加え、噛んだり飲み込んだりする機能が弱くなる傾向があります。体力が低下した高齢者の方が赤魚を食べるときは以下の注意が必要です。
- 胃もたれ・下痢
- 食中毒
- 高血圧の悪化
- 骨が喉に刺さるリスク
高齢者の方が赤魚を食べるときは骨を取り除き、煮付けや干物などの塩分の多い調理は避けましょう。
赤魚の栄養価は健康な体づくりに役立つ

赤魚には体に良い成分が豊富に含まれています。赤魚に含まれる栄養素と効果は以下のとおりです。
栄養素 | 効果 |
タンパク質 | 筋肉や皮膚、髪の毛などのもととなる |
DHAとEPA(オメガ3脂肪酸) | 血液の流れを良くしたり脳の働きを助けたりする |
ビタミンD | カルシウムの吸収を助けて骨や歯を丈夫に保つ |
ビタミンB群 | 食べたものをエネルギーに変える |
セレン | 体の若々しさを保つ |
カリウム | 体内の余分な塩分を排出してむくみを改善する |
健康的な体づくりに加えて、若々しさを保つのに役立つ栄養素も赤魚に含まれています。赤魚を食べると普段の食事で不足しやすい栄養素も手軽に補えます。食生活に赤魚を取り入れて元気な体づくりを目指しましょう。
赤魚を購入するときの3つのポイント

赤魚を購入するときのポイントは以下のとおりです。
- 新鮮なものを選ぶ
- 原産地表示を確認する
- 用途に合わせた形状を選ぶ
新鮮なものを選ぶ
新鮮な赤魚を選べば生臭さや食中毒の心配が少なくなります。新鮮な赤魚は味や食感、栄養価も高く保たれています。スーパーで新鮮な赤魚を選ぶポイントは以下のとおりです。
部位 | ポイント |
目 | 澄んで透明感がある ふっくらと張りがある |
エラ | 鮮やかな赤色をしている ぬめりが少なく臭くないことを確認する |
うろこ | しっかりと皮に密着している 光沢やつややかさを確認する |
お腹 | ふくらみがあり張っている 変なにおいがないことを確認する |
切り身 | 身に透明感と弾力がある 血合いが鮮やかな赤色をしている ドリップ(赤い液体)がないことを確認する |
おいしい赤魚を食べるためにも各部位の状態を確認して購入しましょう。
原産地表示を確認する

原産地表示を確認すると赤魚が育った環境がわかり、品質や安全性を見極められます。以下のパッケージ表示を見ると赤魚の原産地情報がわかります。
- 原産国名と加工地
- 産地の海域
- 認証マーク
国産品は日本の基準で管理されており、安心感を重視する方におすすめです。国内加工と表示された赤魚も輸入品の場合があるため、原産国名を確認しましょう。外国産を選ぶ場合、水質管理が厳しいとされる冷たい海で獲れた赤魚を選びましょう。
水質管理が厳しい冷たい外国の海はアラスカ、カナダ、アイスランド、ノルウェーなどです。漁獲された海域名がパッケージに書かれているとより安心して選べます。
環境に配慮した方法で獲られた赤魚のパッケージにはMSC認証(海のエコラベル)が付いています。赤魚を購入するときは原産地表示を確認して安全性の高いものを選びましょう。
用途に合わせた形状を選ぶ
自分の生活スタイルやメニューに合う赤魚の形状を選べば、調理の手間を減らせます。
煮付けや塩焼きなどの和食メニューを作る場合、赤魚の旨味を感じやすい骨付きの切り身がおすすめです。朝食やお弁当用で赤魚を使う場合、骨抜きや皮なしの切り身を選ぶと時短になり食べやすくなります。
下味が付いている赤魚の切り身やレンジ調理が可能な冷凍品であれば、包丁や調味料を使わずに準備できるため便利です。調理の手間を減らして栄養価の高い赤魚を食生活に取り入れましょう。
赤魚を摂取するときの3つの注意点

赤魚を摂取するときの注意点は以下のとおりです。
- しっかりと加熱する
- 適量を守る
- 味付けによる塩分の摂りすぎに注意する
しっかりと加熱する
赤魚には食中毒の原因となるアニサキスが潜んでいる可能性があるため、中まで加熱することが大切です。アニサキスは加熱によって死滅します。赤魚を安全に食べるには以下のような火が通る料理がおすすめです。
- 煮付け
- 塩焼き
- 唐揚げ
加熱によって食中毒のリスクをなくせば、安心して赤魚を食べられます。
»魚のおいしい焼き方は?調理器具や形状別に解説
適量を守る

赤魚は体に良い栄養素が豊富ですが、食べ過ぎはおすすめできません。赤魚ばかり食べると栄養バランスが偏る可能性があります。赤魚は水銀のリスクは比較的低い魚ですが、さまざまな種類の魚を取り入れた食事が理想的です。赤魚を摂取する目安量は以下のとおりです。
対象 | 摂取目安量 |
大人 | 1食あたり切り身1枚(約80g)を目安に週2〜3回 |
妊婦や妊娠の可能性がある方 | 週に1回(約80g)程度 |
子どもや高齢者 | 大人より量を少なめに調整 |
水銀の影響を受けやすい妊婦や子ども、体力が低下した高齢者の赤魚の摂取目安量は大人よりも少なめです。赤魚だけでなく他の魚やお肉、野菜と組み合わせて栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
味付けに用いる塩分の量を控える
赤魚の味付けによっては塩分を取りすぎてしまうことがあるため注意しましょう。赤魚の煮付けや塩焼きなどで用いる調味料には塩分が多く含まれています。赤魚を減塩で調理する方法は以下のとおりです。
- 出汁や香味野菜で風味を補う
- 酢や柑橘を活用する
- 調味料への漬け時間を短縮する
- 無塩・減塩の調味料を使う
減塩しても赤魚のおいしさを損なわない方法はいくつかあるため、塩分が気になる方は日々の調理に取り入れましょう。
赤魚を使ったおすすめレシピ3選

赤魚を使ったおすすめのレシピは以下のとおりです。
- 煮付け
- 味噌漬け
- 干物
煮付け
赤魚の煮付けはフライパン1つで手軽に作れて、使う調味料が少ないため後片付けも簡単な点が魅力です。醤油やみりんがあれば赤魚の煮付けを調理できます。赤魚の煮付けには以下のようなメリットがあります。
- 作り置きによって冷蔵庫で2〜3日保存できる
- 煮汁ごと食べると赤魚の栄養を効率良く取り入れられる
- しっかり火を通すため安心して食べられる
赤魚の煮付けは作り置きにも向いているため、時間があるときに作っておくと平日の食事の準備が楽になります。甘辛くてご飯との相性が抜群な赤魚の煮付けは子どもから大人まで楽しめる一品です。
味噌漬け

赤魚の味噌漬けは漬けて焼くだけで本格的な味わいを楽しめます。赤魚の味噌漬けは味噌やみりん、酒などの調味液で味が決まるため、料理をしない方でも簡単に調理できます。
冷蔵で2〜3日、冷凍なら1か月ほど保存できるのも赤魚の味噌漬けのメリットです。味噌漬けした赤魚は焦げやすいため、焼く前に味噌を拭き取ったうえで弱火で火を通しましょう。
干物
赤魚の干物は焼くだけで手軽に調理できるため、時間がないときの食事におすすめです。赤魚の干物は下処理が済んでいて塩味もついているため、味付けに悩む必要がありません。
赤魚を天日干しすると、旨味が凝縮されて味に深みのある干物を自分で作れます。さっぱりと赤魚の干物を食べたい場合、大根おろしやレモンを使いましょう。
赤魚に関するよくある質問

赤魚に関するよくある質問は以下のとおりです。
- 赤魚の脂肪は体に悪い?
- 赤魚を食べるとアレルギーが発生する?
赤魚の脂肪は体に悪い?
赤魚の脂肪は健康に良い脂質です。赤魚の脂肪にはDHAやEPAなどのオメガ3系脂肪酸という健康な体づくりに欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
オメガ3系脂肪酸を摂取すると以下のようなメリットがあります。
- 中性脂肪・悪玉コレステロール減少
- 食生活の改善
- 脳機能のサポート
- 血液の流れをサポート
赤魚の脂肪は体に良い一方で、食べ過ぎは肥満につながる可能性があります。酸化した脂肪は体に良くない影響を与えることもあるため、新鮮な赤魚を適量食べることを心がけましょう。
赤魚を食べるとアレルギーが発生する?
魚アレルギーを持つ方が赤魚を食べると、アレルギー症状が起こる可能性があります。魚アレルギーがない方でも鮮度が落ちた赤魚を食べると、アレルギーに似た症状が出ることがあるため注意が必要です。
魚アレルギーの主な原因物質は魚の筋肉に含まれるパルブアルブミンというタンパク質です。パルブアルブミンは熱に強いため、赤魚を加熱処理しても残ります。
魚アレルギー反応が起きると以下のような症状が出ることがあります。
- じんましん、かゆみ、体の腫れ
- 腹痛
- 呼吸困難
魚アレルギーの症状がひどい場合、アナフィラキシーショックが起きる危険もあります。魚アレルギーのある方は赤魚の摂取を避け、魚アレルギーがない方でも症状が出た場合は医療機関へ相談しましょう。
赤魚の鮮度が落ちるとヒスタミンという物質が作られます。ヒスタミンによってアレルギーのような症状が出る食中毒も起こりえるため、新鮮な赤魚を選ぶようにしましょう。
正しい知識を持って赤魚を上手に食生活に取り入れよう

赤魚は体に悪いと言われますが、以下のポイントをおさえると体に悪い影響を与えずに食べられます。
- 新鮮なものを選ぶ
- 原産地表示を確認する
- しっかりと加熱する
- 適量を守る
- 味付けに用いる塩分の量を控える
新鮮な赤魚を選んで中心部まで加熱すれば水銀やアニサキスの心配はほとんどありません。赤魚には良質なタンパク質やDHA・EPAが豊富に含まれており、健康や若々しさを保つために役立ちます。
赤魚はスーパーでも手に入りやすく、煮付けや塩焼きなど簡単調理でおいしく食べられる便利な食材です。適切な調理法と摂取量を守って上手に赤魚を食生活に取り入れましょう。