
- 赤身肉について詳しく知りたい
- 赤身肉をおいしく調理する方法が知りたい
- 肉料理のレパートリーを増やしたい
赤身肉はヘルシーで栄養価の高い食材ですが、特徴や調理法を知らない方が多いことが現状です。この記事では赤身肉の部位ごとの特徴や簡単でおいしいレシピについて詳しく解説します。
記事を読めば赤身肉をジューシーに仕上げるコツがわかり、肉料理のレパートリーが広がります。赤身肉をおいしく調理するためには下ごしらえと火加減が重要です。赤身肉の部位に合ったレシピを選び、柔らかくジューシーな肉料理を作れるようになりましょう。
赤身肉とは見た目が赤い部位の総称

赤身肉とは赤い見た目で脂肪が少なく、筋肉部分が多い肉の総称です。赤身肉には以下の栄養素が豊富に含まれています。
- タンパク質
- 鉄分
- ビタミンB群
赤身肉は高タンパク・低脂質のためダイエットや健康管理、貧血予防に最適な食材です。ただし、赤身肉は加熱しすぎると硬くなりやすいため、調理の際は火加減に気を付けましょう。
»【栄養素別・悩み別】体に良い食べ物と摂取方法を解説!
牛赤身肉の部位

牛赤身肉について以下の部位を解説します。
- ヒレ
- モモ
- ランプ
- ネック
ヒレ
ヒレは牛肉の部位の中で最も柔らかく、最高級の赤身肉です。ヒレは牛の腰の内側にあり、ほとんど動かさない部分のため肉質が柔らかくなります。脂肪が少なくきめが細かい点もヒレの大きな特徴です。ヒレは1頭の牛から3%ほどしか取れない希少部位で、中央の最も厚い部分は「シャトーブリアン」と呼ばれます。
ヒレの繊細な味を楽しむには以下のシンプルな調理法がおすすめです。
- ステーキ
- ローストビーフ
- カツレツ
ヒレは特別な日のごちそうにぴったりの部位と言えます。
モモ

モモは牛の後ろ脚の付け根にあたる部位で、脂肪が少なくきめが細かい赤身肉です。モモは高タンパク・低脂質で鉄分も多く含まれており、健康を意識する方に適しています。脂肪が少ない分、焼きすぎると肉が硬くなりやすい性質がモモにはあります。
モモを調理する際はローストビーフやシチューなど、低温でじっくりと加熱する調理法がおすすめです。モモを煮込めば肉の旨みを閉じ込めながら柔らかく仕上がります。
ランプ
ランプは牛の腰からお尻にかけての部位で、サーロインにつながる赤身肉です。ランプは肉のきめが細かくヘルシーで、赤身肉らしい濃厚な旨味と風味を感じられます。ステーキや焼肉、ローストビーフなど肉の味をシンプルに楽しむ料理がランプの食べ方として最適です。
ランプはタンパク質や鉄分も豊富に含んでいるため、栄養バランスが気になる方にもおすすめです。
ネック
ネックは牛の首部分の赤身肉で、濃厚な味が特徴です。ネックにはスジやコラーゲンも豊富に含まれており、じっくり時間をかけて調理すると柔らかくなります。シチューやカレー、スープなどの煮込み料理がネックの食べ方として最適です。
ネックを長時間煮込むことで肉の旨味とコクがスープに溶け出し、料理の味が格段に上がります。
豚赤身肉の部位

豚赤身肉の以下の部位を解説します。
- 肩
- ロース
- ヒレ
- モモ
肩
肩は濃厚なコクと強い旨味が特徴の赤身肉です。肩肉は腕から肩にかけての部分を指し、筋肉質でしっかりとした食感があります。脂肪が網目状に入っているため、肩は豚肉本来の味わいを深く楽しめます。肩は疲労回復効果のあるビタミンB1も豊富です。
煮込み料理やチャーシュー、生姜焼きなどの料理に肩は適しています。
ロース

ロースは豚の背中側にあり、きめが細かく柔らかい食感が特徴の赤身肉です。ロースは赤身と脂肪のバランスが絶妙で肉本来の旨味とコクを感じられます。ロースの赤身部分は比較的あっさりしていますが、外側の脂肪部分が料理にジューシーさを加えてくれます。
ロースには疲れを取るのに役立つビタミンB1が豊富です。トンカツやポークソテー、生姜焼きなどの料理にロースはよく使用されます。
ヒレ
ヒレは豚肉の部位の中で最も柔らかい赤身肉です。1匹の豚からわずかしか取れない希少部位で、中央の最も厚い部分は「シャトーブリアン」と呼ばれます。ヒレは豚の背骨の内側に沿って位置し、脂肪が少なくきめが細かい点が大きな特徴です。
ヒレを食べる際はステーキやローストビーフ、カツレツなど肉の味を楽しめる料理をおすすめします。
モモ
モモは豚の後ろ脚の付け根にあたる部位で、脂肪が少なくきめが細かい赤身肉です。モモは高タンパク・低脂質でヘルシーな点が特徴で、ダイエットや疲労回復に効果のあるビタミンB1が多く含まれています。モモに適した料理は以下のとおりです。
- 炒め物
- 煮込み料理
- ハム・ソーセージ
カレーやハンバーグなどのひき肉料理としてモモが使われる場合もあります。モモを料理で使用する際は焼きすぎると肉が硬くなりやすい点に注意してください。
牛赤身肉のおすすめレシピ3選

牛赤身肉のおすすめレシピについて以下の3つを紹介します。
- 牛ステーキ肉のオーブン焼き
- 牛ヒレ肉のステーキ(赤ワインソース仕立て)
- 本格派ローストビーフ
どれも簡単で作り置きができるメニューを厳選しました。
牛ステーキ肉のオーブン焼き
牛ステーキ肉のオーブン焼きはフライパンを使わずに本格的な料理が作れる点が魅力です。オーブン調理だけなので焼いている間に副菜を作れます。牛ステーキ肉のオーブン焼きはコンロ周りが油で汚れる心配がなく、後片付けが楽な点も嬉しいポイントです。
牛ステーキ肉のオーブン焼きを作る際は厚さ2cmほどの牛赤身肉(モモやランプ)を用意します。赤身肉は焼く30分前には冷蔵庫から出して常温に戻しておきましょう。赤身肉の両面に塩こしょう、おろしニンニクをしっかりすり込み、オリーブオイルを塗ります。
天板に赤身肉を乗せ、周りにじゃがいもやパプリカ、ブロッコリーなどの野菜を並べます。赤身肉と野菜を並べた天板を200℃に予熱したオーブンに入れて10~15分焼いてください。赤身肉と野菜が焼き上がったらアルミホイルで優しく包んで5分ほど休ませたら完成です。
牛ヒレ肉のステーキ(赤ワインソース仕立て)

牛ヒレ肉のステーキ(赤ワインソース仕立て)は記念日や自分へのご褒美にぴったりの料理です。家にある調味料で深みのある本格的な赤ワインソースが作れます。赤ワインソース仕立ての牛ヒレ肉のステーキを作るコツは、ステーキを焼いたフライパンでソースを作ることです。
フライパンに残った牛ヒレ肉の旨味がソースに溶け込み、お店のような味わいになります。赤身肉は常温に戻してから焼くとよりジューシーな仕上がりになります。調理したステーキをアルミホイルで休ませることもおいしく仕上げるコツです。
本格派ローストビーフ
自宅のオーブンでも本格的なローストビーフを簡単に作れます。低温のオーブンでじっくり火を通すことで、赤身肉が硬くならず、しっとりとジューシーに仕上がります。オーブンでの調理はフライパンで作るよりも失敗が少ないため、料理が苦手な方にもおすすめです。本格派ローストビーフを作る手順は以下のとおりです。
- 赤身肉に下味を付ける
- 常温に戻した牛モモ肉に塩こしょう、すりおろしにんにくを両面にすり込みます。
- 赤身肉全体に焼き色を付ける
- 強火のフライパンで赤身肉全面に焼き色を付け、120℃に熱したオーブンに入れます。
- 赤身肉をオーブンで加熱する
- 赤身肉の大きさや好みの焼き加減に合わせて30~40分加熱してください。
- 赤身肉を休ませる
- 加熱後はオーブンから取り出し、アルミホイルを二重に包んで30分ほど置きます。
- ソースを作る
- 赤身肉を焼いたフライパンに赤ワインと醤油、バターを加えて煮詰め、ローストビーフと合わせます。
豚赤身肉のおすすめレシピ3選

豚赤身肉のおすすめレシピについて以下の3つを紹介します。
- 豚ヒレ肉のマスタードソースステーキ
- 豚モモ肉のスブラキ風
- 豚ロース肉の竜田揚げ
豚ヒレ肉のマスタードソースステーキ
豚ヒレ肉のマスタードソースステーキはフライパンだけで作れる簡単な料理です。家庭にある調味料で本格的なマスタードソースが作れます。豚ヒレ肉をおいしく調理するコツは肉を常温に戻すことと筋を切っておくことです。弱火でじっくりと焼くことで、赤身肉が柔らかくジューシーに仕上がります。
赤身肉を焼いたフライパンに粒マスタードと醤油、はちみつを加えて軽く煮詰めるとおいしいマスタードソースができます。きのこや玉ねぎを一緒に焼いて付け合わせにすることもおすすめです。
豚モモ肉のスブラキ風

豚モモ肉をさっぱりと楽しみたい方にはギリシャの串焼きである「スブラキ」がおすすめです。赤身肉をヨーグルトに漬け込むだけで、パサつきがちな豚モモ肉が柔らかくジューシーに仕上がります。爽やかなレモンの酸味とハーブの香りも食欲をそそります。
パプリカや玉ねぎを赤身肉と一緒に串に刺すこともおすすめです。豚モモ肉のスブラキ風はご飯のおかずはもちろん、サンドイッチやお弁当のおかずにもなります。下味を付けた状態で豚モモ肉を冷凍保存しておくと焼くだけで立派なメインディッシュになるので、共働きの主婦からも人気があります。
豚ロース肉の竜田揚げ
豚ロース肉を使えば外はサクサクで中はジューシーな竜田揚げが家庭でも簡単に作れます。豚ロース肉の竜田揚げは揚げ物なのに後片付けが楽で冷めてもおいしいため、毎日のおかずやお弁当に大活躍します。豚ロースの竜田揚げの作り方は以下のとおりです。
- 豚ロース肉に下味を付けて10分置く
- 汁気を切って豚ロース肉に片栗粉をまぶす
- 少ない油で豚ロース肉を揚げ焼きにする
豚ロース肉に下味を付ける際はポリ袋で揉み込むことで洗い物が減り、赤身肉に味が染み込みやすくなります。少ない油で豚ロース肉を揚げ焼きにするため、油の処理に悩む心配もありません。豚ロース肉の竜田揚げは忙しい日の夕食や作り置きのおかずとしておすすめできる一品です。
赤身肉をおいしく調理するコツ

赤身肉をおいしく調理するコツは以下のとおりです。
- 肉をたたいて柔らかくする
- 酵素を活用する
- 低温でじっくり加熱する
赤身肉は硬くてパサつきやすいと思われがちですが、適切な調理法で柔らかくジューシーに仕上げられます。
肉をたたいて柔らかくする
赤身肉は物理的にたたくことで肉の筋繊維や組織を断ち切れるため、簡単に柔らかくなります。ステーキ用の厚切り肉やとんかつ用のロース肉などの硬くなりやすい部位で試すとより効果を実感できます。
赤身肉をたたく道具は専用の肉たたき(ミートハンマー)が望ましいですが、ない場合は以下のもので代用してください。
- 包丁の背
- すりこぎ
- 空き瓶の底
赤身肉をたたく際は肉の上にラップをかけると肉汁が飛び散らず、後片付けも楽になります。力を入れすぎず肉全体の厚さが均等になるようにたたくことがコツです。
酵素を活用する

果物や発酵食品に含まれる酵素の力を借りると、硬くなりがちな赤身肉を柔らかく調理できます。酵素には赤身肉の硬い筋を分解する作用があるからです。酵素が多く含まれている主な食材は以下のとおりです。
- パイナップル
- キウイ
- 玉ねぎ
- 梨
- 塩麹
- ヨーグルト
酵素が多く含まれる食材をすりおろして、30分から1時間ほど赤身肉に漬け込むだけでジューシーな仕上がりになります。塩麹やヨーグルトは赤身肉を柔らかくするだけでなく、旨みを増す効果も期待できます。
ただし、酵素に漬け込みすぎると赤身肉が傷む恐れがあるため、最初は短い時間から試してください。加熱処理されている缶詰の果物には酵素による効果が期待できない点にも注意が必要です。
低温でじっくり加熱する
赤身肉は低温でじっくり加熱すると肉汁を閉じ込めたまましっとりとした食感を保てるため、柔らかくジューシーに仕上がります。高温で急に焼くと赤身肉のタンパク質が縮んで硬くなり、肉汁が外へ逃げてしまいます。
赤身肉をフライパンで加熱する際は弱火で蓋をしてじっくりと火を通してください。オーブンで焼く場合は100〜120℃の低温設定にすると中まで均一に火が通ります。失敗したくない方は低温調理器具を使うこともおすすめです。
赤身肉を取り入れて毎日の食事を豊かにしよう

赤身肉は鉄分やタンパク質が豊富で脂肪が少なくヘルシーな食材です。ビタミンB1も多く含まれており、赤身肉はダイエットや健康管理、貧血予防をしている方におすすめです。赤身肉をおいしく調理するコツとして、以下の3つが挙げられます。
- 肉をたたいて柔らかくする
- 酵素を活用する
- 低温でじっくり加熱する
赤身肉は加熱しすぎると硬くなりやすいため、低温でじっくり加熱することが大切です。赤身肉の部位に合ったレシピを選び、忙しい毎日でも手軽に栄養バランスの取れた食生活を送りましょう。