野菜の冷凍保存で失敗しない方法とは?種類別のポイントと解凍時の注意点を紹介

野菜の冷凍保存で失敗しない方法とは?種類別のポイントと解凍時の注意点を紹介
  • 野菜を冷凍保存するメリット・デメリットは?
  • 野菜別に冷凍保存方法を知りたい
  • 野菜を冷凍保存するときのポイントは?

食費を節約しながら健康的な食生活を送りたいけれど、野菜の冷凍保存方法に悩む方は多くいます。正しい方法で冷凍保存しないと野菜の食感や風味、栄養価が失われてしまいます。保存方法を間違えると野菜に雑菌が繁殖し、食中毒の原因にもつながるため注意が必要です。

この記事では、野菜を冷凍保存するメリット・デメリットや野菜別の冷凍保存方法を解説します。記事を読めば、野菜別の正しい冷凍保存方法がわかり、よりおいしく野菜を食べられます。野菜を冷凍保存するときに重要なポイントは、それぞれの野菜に合った保存環境を作り、小分けにして冷凍保存することです。

野菜を冷凍保存するメリットとデメリット

野菜の冷凍保存にはメリットとデメリットがあるため、それぞれを理解して上手に活用しましょう。

野菜を冷凍保存するメリット

野菜を冷凍保存するメリットは以下のとおりです。

  • 野菜を長期間保存できる
  • 食品ロスを防げる
  • 家計費の節約につながる

常温保存では数日で野菜が傷むことがありますが、冷凍すると1〜3か月ほど野菜の鮮度を保てます。野菜を冷凍するとビタミンCなどの栄養素も維持されるので、健康的な食生活をしたい方やダイエット中の方にも役立ちます。家庭で余った野菜を冷凍保存すると捨てずに済むため、家計と環境の両方に優しい保存方法です。
» 野菜不足が及ぼす健康への影響と解消方法を解説!

野菜を冷凍保存するデメリット

野菜を冷凍保存すると長期間食べられるメリットがありますが、すべての野菜が冷凍に向いているわけではありません。野菜の種類によっては、冷凍保存に以下のデメリットが生じます。

  • 食感が悪くなる
  • 下処理に手間がかかる
  • 変色して見た目が悪くなる

水分が多い野菜は解凍すると軟らかくなり、生で食べる際のシャキシャキとした食感が失われやすくなります。解凍にも時間がかかるため、野菜を冷凍する場合は生食ではなく加熱調理に使うなど、調理方法を工夫する必要があります。
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【野菜別】冷凍保存の方法

冷凍保存の方法を以下の野菜別に解説します。

  • 葉物野菜
  • 根菜類
  • その他の野菜

葉物野菜

ほうれん草や小松菜、水菜などの葉物野菜は傷みやすいですが、冷凍保存によって鮮度を長く保つことが可能です。葉物野菜を冷凍保存するときは、下茹でをすると鮮やかな緑色を維持できます。

葉物野菜を下茹でする手順は以下のとおりです。

  1. 洗ってアクを抜く
  2. 茎と葉を分けて切る
  3. 30秒〜1分程度茹でる
  4. 氷水で冷ます
  5. 水気を絞る

野菜の水気をしっかり絞った後は、1食分ずつラップに包むか冷凍用保存袋に入れて保存してください。小分けにして冷凍保存しておくと、必要な分だけ野菜を取り出して便利に使えます。冷凍した葉物野菜の消費の目安は約1か月です。

野菜を冷凍保存するとビタミンCなどの栄養素は20〜30%程度減少しますが、他の栄養素はあまり影響を受けません。解凍後は野菜が水っぽくなる傾向があるため、炒め物よりも煮物や和え物がおすすめです。冷凍保存した野菜は解凍せずに味噌汁やスープに入れたり、おひたしにしたりする方法もあります。
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根菜類

じゃがいもやにんじん、だいこんなどの根菜類は、それぞれの特性に合わせた冷凍方法を選ぶことで鮮度を保てます。根菜類の冷凍保存方法は以下のとおりです。

じゃがいも
じゃがいもは生のまま冷凍すると黒変してしまうため、必ず茹でるか蒸してから冷凍保存しましょう。冷凍するとじゃがいもが崩れやすくなるので、煮物やポテトサラダなどに使うことがおすすめです。
にんじん
にんじんを小さく切ってから冷凍保存しておくと、後の調理が簡単になります。にんじんは千切りやいちょう切り、乱切りにして冷凍保存しておくと便利です。生でも加熱でもOKですが、加熱してから冷凍する方が食感に変化がありません。
だいこん
大根は、生のまま冷凍すると食感が損なわれるため、薄切りや短冊切りにして下ゆでしてから冷凍するのがおすすめです。生のまま冷凍することもできますが、解凍時にスが入りやすくなります。ただし、繊維が崩れることで味がしみやすくなるというメリットもあります。また、大根おろしも冷凍可能ですが、解凍すると水っぽくなるため、味付けの際に調整が必要です。

根菜類を冷凍保存するときは、水分をしっかり拭き取ってから小分けにして冷凍保存袋に入れましょう。根菜類の保存期間は1〜2か月を目安にして、解凍せず調理に使えば食感の劣化を最小限に抑えられます。

momoka
momoka

大根が冷凍できると知ってからは、丸ごと1本で買うことに迷いがなくなりました。カットされたものよりも、1本丸ごとの方が価格も割安で、お得に購入できます。

その他の野菜

ブロッコリーやトマト、ピーマンなどの野菜を正しい方法で冷凍すれば、長期間保存しながら必要なときに調理に使えます。ブロッコリーは小房に分けて塩水で軽く下茹でした後、冷水で冷やしてから冷凍すると、約1か月の保存が可能です。冷凍したブロッコリーは解凍しなくても、炒め物やスープに入れられるので便利です。

トマトを丸ごと冷凍保存した場合は、使用時に流水にあてると皮をむきやすくなります。冷凍したトマトは解凍すると水分が出るため、パスタソースや煮込み料理におすすめです。

ピーマンは種とヘタを取り除き、細切りや輪切りにしてから冷凍しましょう。ピーマンは下茹でせず生のまま冷凍でき、約3週間の保存が可能です。
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野菜を冷凍保存するときのポイント

野菜を冷凍保存するときのポイントは以下のとおりです。

  • 野菜の冷凍保存に必要な道具をそろえる
  • 野菜の水分をしっかりと拭き取る
  • 野菜を小分けにして保存する

野菜の冷凍保存に必要な道具をそろえる

野菜を冷凍保存するときは以下の道具があると便利です。

  • 冷凍用保存容器
  • 冷凍用保存袋
  • ラップ
  • キッチンペーパー
  • ラベルやマスキングテープ

野菜の保存容器や保存袋は冷凍専用のものを選び、密閉度の高い容器を選びましょう。キッチンペーパーは野菜の水分を拭き取るために、ラベルは保存日や内容を記入するために使用します。

野菜の水分をしっかり取る

野菜を冷凍保存するときに水分が付着していると冷凍中に水分が氷の結晶になり、解凍したときに食感が損なわれます。水分の付着は野菜の風味が低下したり、栄養素が失われたりする原因にもなります。冷凍前に水分を拭き取れば、野菜の冷凍焼けを防ぎながら保存期間を延ばすことが可能です

最適な乾燥度合いは野菜によって異なるため、野菜の種類に合わせて水分を拭き取ってください。葉物野菜は水分を多く含むため、しっかりと水気を絞ってから冷凍保存しましょう。

キッチンペーパー卒業!私の野菜の水切り術

野菜に水分が残っていると、味がぼやけたり、水っぽくなったりして、せっかくの料理が美味しく仕上がりませんよね。私もこれまで、キッチンペーパーで水気をふき取っていましたが、なかなかうまくいかず、気づけばペーパーを何枚も使ってしまっていました。

そこで思い切ってサラダスピナーを購入したところ、これがとても便利!使ってみて感動しました。洗い物は少し増えるかな…と思っていましたが、レタス等を洗うときもボウルとしても活用しているので、結果的に洗い物は増えていません。さらに、野菜を冷凍保存するときにも、しっかり水分を取ってから冷凍しないと、霜がついてベチャッとした仕上がりになったり、解凍後に食感が悪くなったりしてしまうんです。サラダスピナーがあれば、下ごしらえから保存までスムーズで無駄がないのも嬉しいポイントです!

野菜を小分けにして保存する

野菜を小分けにして冷凍保存すると、必要な分だけ取り出して使えるため便利です。野菜の冷凍・解凍時間も短縮できるため、忙しい共働き夫婦や1人暮らしの方にとって時間の節約につながります。小分けした野菜に日付やメニュー名をラベリングしておくと、調理に使うときに迷いません。

冷凍時に小分けした野菜同士が凍り付かないように、間にクッキングシートを挟んで保存する方法も効果的です。野菜の空気に触れる面積を減らすために、冷凍保存時はしっかりと密閉しましょう。

冷凍保存した野菜を解凍するときのポイント

冷凍保存した野菜をおいしく食べるには、下準備や適切な解凍方法の選択が重要です。冷凍保存した野菜を解凍するときのポイントは以下のとおりです。

  • 下茹でした野菜は流水で解凍する
  • 凍ったまま調理する

下茹でした野菜は流水で解凍する

下茹でした野菜を流水にさらせば均等に解凍できるので、栄養素の損失を最小限に抑えられます。流水で解凍する際は、凍った野菜をザルに入れて冷水を優しくかければ2〜5分程度で解凍できます。一度解凍した野菜は再冷凍せずに、解凍した日に使い切るようにしてください。

調理時は野菜の中心部がやや凍っている状態(8割程度解凍)で使うと、食感が保たれます。完全に解凍すると野菜が水っぽくなり、食感が損なわれることがあります。

解凍後に野菜についた余分な水分をしっかりと拭き取れば、料理の味が薄まる心配はありません。水分をとるには手で軽く野菜の水分を絞るか、キッチンペーパーで包んで水分を吸収させると効果的です

凍ったまま調理する

冷凍した野菜は、料理によって解凍しない方がおいしく仕上がります。冷凍したままだと野菜の水分の流出を防げるため、料理が水っぽくならずビタミンなどの栄養素の損失も抑えられます

以下の料理を作る場合は、冷凍保存した野菜を凍ったまま調理することがおすすめです。

  • 炒め物
  • スープ
  • 味噌汁
  • カレー
  • シチュー
  • グラタン
  • ドリア

炒め物で冷凍した野菜を調理する場合は、高温の油で一気に炒めるとシャキッとした食感を保てます。スープや煮込み料理に冷凍した野菜を入れる場合は、通常より少し長めに煮込んで中心部まで火が通るようにしてください。ただし、冷凍した根菜類を解凍せずに調理すると、中心部まで火が通りにくいので注意が必要です。

野菜を冷凍する際に下味をつけると味が染み込み、解凍しない調理で使いやすくなります。冷凍保存した野菜を電子レンジで加熱する場合は、途中で様子を見ながら加熱時間を調整しましょう。

野菜の冷凍保存に関するよくある質問

野菜の冷凍保存に関するよくある質問を以下にまとめました。

  • 冷凍保存に不向きな野菜の保存方法は?
  • 冷凍保存中に霜が付いてしまったときの対処法は?
  • 冷凍野菜の色落ちや食感の変化への対処法は?
  • 冷凍保存した野菜を調理するときの注意点は?

野菜の冷凍保存方法に悩んでいる方は参考にしてください。

冷凍保存に不向きな野菜の保存方法は?

水分が多い野菜や鮮度が重要な野菜は、冷凍保存に向いていない場合があります。レタスやキュウリなどの水分の多い野菜を冷凍すると食感が損なわれるため、常温保存や野菜室での冷蔵保存がおすすめです。トマトは基本的に常温保存が向いており、キュウリは新聞紙で包むと長持ちします。
» 常温保存に適した野菜とは?長持ちさせるコツも解説

きのこ類は紙袋に入れて冷蔵すると余分な湿気がなくなって長持ちします。
» 冷蔵庫での野菜の保存方法を解説!常温保存が良い野菜も紹介

冷凍保存中に霜が付いてしまったときの対処法は?

冷凍保存中に霜が付いた野菜は風味が低下している可能性がありますが、食べても健康上の問題はありません。冷凍保存で霜が付いた野菜を使用するには、以下の方法が効果的です。

  • 水で霜を洗い流す
  • キッチンペーパーで霜を拭き取る
  • 霜が付いた部分を切り取る

冷凍保存で霜が付いた野菜を活用したい場合は、煮物や炒め物などの調理法が適しています。霜付きを防ぐためには、冷凍保存前に野菜の水分をしっかりと拭き取ってください。霜を減らすためには密閉性の高い保存容器やフリーザーバッグを使い、できるだけ空気を抜いて野菜を冷凍保存すると効果的です。

冷凍野菜の色落ちや食感の変化への対処法は?

冷凍野菜の色落ちを防ぐためには、冷凍前の下処理が重要です。野菜を短時間茹でる「ブランチング」という方法で酵素の働きを止めることで、野菜の鮮やかさを保てます。野菜を冷凍保存する際は真空パックや密閉性の高い容器を使い、空気との接触を最小限に抑えましょう

冷凍保存で野菜が色落ちした場合でも、調理時に少量の酢やレモン汁を加えると色味が回復する場合があります。野菜の食感を維持するためには急速冷凍が効果的です。家庭用冷凍庫で保存する際は、野菜を薄く平らに広げて冷凍すると霜付きや品質の劣化を抑えられます。

食感が変わってしまった野菜でも、スープや煮込み料理、炒め物などにするとおいしく食べられます。

冷凍保存した野菜を調理するときの注意点は?

冷凍野菜は細胞がすでに壊れているため、生の野菜よりも調理時間を短くする必要があります。野菜を長時間加熱すると食感が悪くなり、熱に弱い栄養素も失われるので注意してください。冷凍野菜をサラダに使う場合は、事前に解凍して水気をしっかりと絞りましょう。

冷凍保存した野菜をスープや煮物に使用する場合は、凍ったままの調理が可能です。野菜を再冷凍すると食感や風味が低下するだけでなく細菌が繁殖しやすくなるため、解凍した日に使い切ってください

まとめ

野菜の冷凍保存は、食材の無駄を減らして調理時間を短縮できる便利な方法です。冷凍保存に適した葉物野菜は下茹でしてから保存して、根菜類は生のまま冷凍保存すると風味を保てます。冷凍保存する前に野菜の水分をしっかりと拭き取り、小分けにすることが重要です。

解凍方法について下茹で済みの野菜は流水解凍、生のまま冷凍保存した野菜は凍ったまま調理することが基本です。冷凍保存時に霜が付いた野菜や色落ちした野菜も食べられますが、栄養素と風味を保つためには早めに使い切りましょう。

正しく野菜を冷凍保存すれば、忙しい共稼ぎ夫婦や1人暮らしの方でも手軽に健康的な食生活を続けられます
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