冷凍食品は体に悪いって本当？安全性や栄養価を徹底解説！

日々の食事で冷凍食品を利用する機会は多いものの、安全性や栄養価について疑問を持つ人は多くいます。この記事では、冷凍食品が体に悪いと言われる理由や、冷凍食品を利用するメリット、安全性、栄養価を解説します。

記事を読めば、冷凍食品に対する不安が解消され、賢く活用することが可能です。冷凍食品は必ずしも体に悪いわけではありません。上手に活用すれば、忙しい現代生活の強い味方となります。栄養バランスを考慮しつつ、冷凍食品を上手に取り入れ、健康的な食生活を送りましょう。
» 食生活の重要性と年齢別の改善方法を解説

冷凍食品が体に悪いと言われる理由

冷凍食品が体に悪いと言われる理由は、以下のとおりです。

食品添加物を使用している

冷凍食品には、さまざまな添加物が使用されているのが特徴です。添加物は、食品の品質や安全性を保つ目的で使用されます。防腐剤や酸化防止剤は保存性を高めるため、乳化剤や増粘剤は食感や見た目を良くするために使われます。化学調味料や人工甘味料は、味を調整するのが目的です。

添加物の種類や量に注意を払い、できるだけ自然な食材を使用した製品を選ぶのが賢明です。
» 食品添加物の危険性や控えるべき添加物を解説

栄養バランスが偏る

冷凍食品を頻繁に利用すると、主食や主菜、副菜のバランスが崩れやすく、野菜や食物繊維が不足しがちです。タンパク質や脂質の過剰摂取や、ビタミンやミネラルの不足など、栄養面での問題が生じる可能性があります。食材や調理法も偏る傾向です。冷凍食品が単品で提供される場合が多いことや、加工度の高さが理由です。

冷凍野菜や魚を選んだり、生鮮食品と組み合わせたりすると、栄養バランスを改善できます。
» 長期的な健康を目指す！栄養バランスを整える方法と献立作りのコツ

味付けが濃い

冷凍食品の味付けが濃い理由は、保存性を高めるためです。解凍時や加熱調理時の味の変化を考慮するためでもあります。解凍や加熱の過程で味が薄まる傾向があるので、あらかじめ濃い味付けにしています。濃い味付けは食欲を増進させ、商品の魅力を高めるのに効果的です。

家庭で調理する際に味を調整したり、野菜と組み合わせたりすることで、健康的に楽しめます。

糖分が多い

多くの冷凍食品には、砂糖や果糖ブドウ糖液糖などの甘味料が多く使用されています。糖分の過剰摂取のリスクは、以下のとおりです。

注意が必要なのは、冷凍スイーツや冷凍ピザなどの糖分含有量が高い製品です。糖分の多い冷凍食品は、空腹感が満たされにくく過食につながりやすいほか、栄養バランスが偏る原因にもなります。

原材料に対する不安がある

冷凍食品の原材料の産地や品質の不明確さに不安を感じる人は多くいます。原材料に対する懸念事項は以下のとおりです。

輸入食材の安全性に疑問を感じる人も多くいます。原材料の鮮度や保存状態の不明確さも、消費者の不安を高める要因です。食品偽装のリスクや原材料の履歴が追跡できないことも、不信感につながります。添加物の使用量や種類の不明確さは、健康を気にする人にとって大きな懸念事項です。

原材料に関する不安要素は、冷凍食品に限らず加工食品全般に共通する問題でもあります。しかし、冷凍食品は長期保存が可能なため、原材料に対する不安が強調されやすい傾向があります。

体に悪いと言われる冷凍食品のメリット

体に悪いと言われる冷凍食品のメリットは、以下のとおりです。

保存料を使っていない

冷凍食品は、新鮮な状態で急速冷凍されるため、保存料が不要です。低温保存により細菌の増殖が抑制されるので、自然解凍や加熱調理で安全に食べられます。保存料不使用のメリットは、自然な味わいを楽しめることです。添加物を気にせず食べられるため、健康志向の人にもおすすめです。

コストパフォーマンスが高い

冷凍食品を一度に大量購入することで、単価を抑えられるだけでなく、さまざまな面でコスト削減につながります。調理時間や手間の削減が可能です。必要な分だけ解凍して使用できることから、食材を無駄にせず、フードロスの減少にもつながります。長期保存が可能なので、買い置きで急な食事の準備にも対応できます。

食材の仕入れや管理の手間も省け、時間とお金の節約が可能です。

フードロスを削減できる

冷凍食品は、必要な分だけ調理できるため食べ残しが減少し、長期保存が可能なことから廃棄する量も少なくなります。計画的な購入と消費によって、食材の無駄遣いも防ぐことが可能です。調理済みの商品が多く、調理時の食材ロスも少なくなります。個別包装により、必要量だけ使用可能です。

季節を問わず食材を使用できるため、旬以外の廃棄も減らせます。賞味期限が長く、期限切れによる廃棄が少ないのも特徴です。小分け包装により、1人暮らしや少人数世帯でも無駄なく消費できます。食材の下処理が不要なため、調理時の廃棄物が減少する点もおすすめです。

長期保存ができる

冷凍食品の賞味期限は数か月～1年以上と、通常の常温保存と比べてはるかに長い期間保存できるのが特徴です。冷凍庫に入れて－18℃以下で保存すれば、食品の品質を長期間維持できます。長期保存のメリットは以下のとおりです。

解凍と再冷凍を繰り返さないことで、品質を保ったまま長期間保存が可能になります。急な来客時や災害時の備えにもなるため、家庭に常備しておくのがおすすめです。

非常食として活用できる

冷凍食品は長期保存が可能で、災害時や緊急時の食料として備蓄できます。調理をしなくても食べられるものが多いため、火や水が使えない状況でも安心です。個別包装されている場合が多く、衛生的に食べられるのも大きなメリットです。

普段の食事としても活用できるため、ローリングストックにも適しています。定期的に消費して新しいものと入れ替えると、常に新鮮な非常食の備蓄が可能です。

お弁当作りに便利

お弁当作りでは、『時間がない朝に便利で衛生的』ということと、『お昼に冷めても美味しく食べられる』ということが大事です。お弁当作りに便利な冷凍食品には、どんな工夫や特徴があるのでしょうか？

特徴	そのままお弁当に入れられる冷凍食品	冷めても美味しい冷凍食品
調理方法	完全加熱後に急速冷凍 （中心温度75℃以上で1分以上）	衣に片栗粉使用や二度揚げ、脂質調整
調理時間	調理時間なし （おかずカップ入りでそのまま使用可能）	温め調理が必要 （おかずカップはなく、自分で盛り付け）
味付け	解凍時に薄まらないよう濃いめ （醤油、ケチャップ等）	冷めることを考え最初から少し濃いめ
衛生面	自然解凍中の菌の増殖を防ぐため、通常より 厳しい衛生管理（中心温度を厳密に管理し、 高温で殺菌処理）	一般的な衛生基準を満たす加熱処理 （75℃以上で1分以上など通常の基準内で加熱処理）
食感・風味	水分を抑え、水っぽくならない工夫	冷めてもサクサクやジューシー感を保つ
用途	お弁当に入れて保冷剤としても機能	食卓やお弁当のおかず向け
種類	小型でお弁当向けの商品が中心	メインから副菜まで幅広く豊富
対象	子どもから大人まで幅広く人気（特に子ども）	大人を中心に家庭料理としても人気
季節との 相性	夏場に最適（菌の増殖を抑制しやすい）	季節を問わず利用可能（温め推奨）
添加物の 使用傾向	衛生管理や食感を維持するため添加物使用が多め	味付けや食感保持のため添加物使用があるが、 比較的控えめな商品も多い

体に悪いと言われる冷凍食品の安全性と栄養価

体に悪いと言われる冷凍食品の安全性と栄養価について解説します。

冷凍食品の安全性

冷凍食品の安全性は、厳格な製造基準と品質管理によって確保されています。多くの人が心配する細菌の増殖は、急速冷凍技術によって効果的に抑制されるのが特徴です。製造から流通、販売に至るまで、一貫した温度管理が徹底されています。定期的な安全性検査を実施するなど、常に品質の維持と向上に努めています。

アレルギー物質の明確な表示や、包装技術による外部汚染防止など、安全を考慮した対策も取られています。解凍・調理時の正しい方法を守ると、より安全に冷凍食品を楽しむことが可能です。

冷凍食品の栄養価

「冷凍食品＝体に悪い」とよく言われますが、それは主に調味料や保存料などの添加物を多く含む加工食品のことを指しています。素材そのものを冷凍した野菜や魚介類、肉類といった食品は、基本的に添加物が使われていないものが多いです。ただ、一部の商品（例えば冷凍野菜の中には変色防止のために少量の添加物を使うことも）もあるので、成分表示を確認することをおすすめします。

素材そのものの冷凍は、一般に考えられている以上に栄養価が高いことが明らかになっています。冷凍処理による栄養素の損失は最小限に抑えられているため、ビタミンCやタンパク質、ミネラルなど多くの栄養素が保持されます。冷凍野菜は、旬の時期に収穫された新鮮な野菜を使用しているので、栄養価が高いのが特徴です。

ただし、水溶性ビタミンの一部は解凍時に失われる可能性がある点に注意が必要です。適切な解凍方法の選択で、栄養素の損失を最小限に抑えられます。冷凍魚は、生鮮魚と同等の栄養価を保持する食材です。冷凍果実は、冷凍の過程で糖度が高まる傾向があり、より甘みが引き立つといったメリットがあります。

体に悪いと言われない冷凍食品の選び方

体に悪いと言われない冷凍食品の選び方は、以下のとおりです。

添加物が少ない製品を選ぶ

添加物の少ない製品を見分けるには、原材料リストがシンプルな製品を選びましょう。無添加や天然素材使用といった表示の確認も有効です。オーガニック認証を受けている商品も選択肢の一つとなります。保存料や着色料が使用されていないかの確認も大切です。加工度の低い冷凍食品を選ぶことも重要です。

素材の味を活かした製品は、一般的に添加物が少ない傾向にあります。添加物の種類や数が少ない製品を優先的に選びましょう。自然由来の調味料や香料を使用した製品も、体に優しい選択肢となります。

栄養価が高い製品を選ぶ

冷凍食品の中にも、栄養バランスの良い製品は多くあります。栄養価の高い冷凍食品を選ぶポイントは、以下のとおりです。

オメガ3脂肪酸を含む魚介類の製品は、体に良い脂肪酸を含んでいるため、積極的に選びましょう。栄養成分表示を確認することで、栄養バランスの良い製品を選べます。無添加や有機原料を使用した製品も、栄養価が高い傾向にあります。栄養が強化された製品を選ぶのも良い方法です。

単一食材の冷凍食品の組み合わせで、栄養バランスを整えられます。

適切な方法で解凍する

食品に適した解凍方法を選びましょう。電子レンジで解凍する場合は、均一に加熱されるよう適度にかき混ぜることが大切です。自然解凍を選ぶ場合は、食中毒のリスクを避けるため、必ず冷蔵庫内で行ってください。流水解凍は、ビニール袋に入れて行うと、食品に直接水が触れるのを防げます。

長時間放置すると、細菌が繁殖するリスクが高まります。

適切な方法で加熱する

電子レンジを使用する場合は、パッケージに記載された指定時間を厳守すると、食品全体に均一に熱が行き渡ります。オーブンやトースターを使う際は予熱しましょう。調理時間が短縮され、食品の表面と内部が均等に加熱されます。フライパンで調理する場合は、適量の油の使用がおすすめです。

食材が均一に加熱され、焦げ付きも防げます。揚げ物は油温を適切に保ち、蒸し料理は水量と蒸し時間に気をつけましょう。焼き物は表面と内部の加熱ムラをなくし、煮込み料理は沸騰後に弱火でじっくり加熱します。加熱後は、必ず中心部まで十分に火が通っているか確認し、すぐに食べるのがおすすめです。

自家製冷凍食品

市販の冷凍食品は手軽で便利ですが、添加物や味の好みに不安を感じることもあります。​そんなとき、自家製の冷凍食品が心強い味方になります。​自分や家族の好みに合わせて作ることで、健康的で美味しい食事を手軽に楽しめます。​今回は、自家製冷凍食品のメリットと、基本的な作り方と保存のコツをご紹介します。

自家製冷凍食品のメリット

メリットを活用することで、日々の食生活がより豊かで便利になります

自家製冷凍食品の基本的な作り方と保存のコツ

食材カテゴリ	代表的な食材	冷凍前の下処理	冷凍方法	解凍・調理のポイント
肉類	鶏むね肉、豚こま肉、牛ひき肉	一口大にカットし、下味をつける（例：醤油、みりん、酒）	下味をつけた状態で保存袋に入れ、平らにして冷凍	凍ったまま炒め物や煮物に使用可能。加熱時に中心部まで火を通す。
魚介類	鮭、鯖、白身魚の切り身	水気を拭き取り、必要に応じて下味をつける	一切れずつラップで包み、保存袋に入れて冷凍	解凍後、焼き物や煮物に。下味をつけておくと調理が簡単。
野菜類	ほうれん草、ブロッコリー、にんじん、玉ねぎ	ほうれん草・ブロッコリーは固めに茹でて水気を切る。にんじん・玉ねぎはカットする。	小分けにして保存袋に入れ、平らにして冷凍	凍ったまま炒め物やスープに。食感が変わる場合があるので、加熱調理向き。
果物類	バナナ、いちご、ブルーベリー	バナナは皮をむいてカット。いちご・ブルーベリーは洗って水気を切る。	バラ凍結後、保存袋に移して冷凍	凍ったままスムージーやデザートに使用。解凍すると水分が出るため、生食には不向き。
調理済おかず	ハンバーグ、カレー、ミートソース、きんぴらごぼう	調理後、粗熱を取る	一食分ずつ小分けにして保存容器や保存袋に入れて冷凍	解凍後、電子レンジや鍋で再加熱。中心部までしっかり温める。
ご飯・パン類	白ご飯、炊き込みご飯、食パン、ロールパン	ご飯は温かいうちに一食分ずつラップで包む。パンはそのま	ご飯はラップのまま、パンは保存袋に入れて冷凍	ご飯は電子レンジで加熱。パンは自然解凍後、トースターで温めると美味しい。

これらの情報を活用して、自家製冷凍食品を効率的に作り、日々の食事準備をより便利にすることができます。​特に、下味冷凍は調理の手間を省き、忙しい日々の強い味方となります。

冷凍食品の活用例

冷凍食品の活用例を、以下の項目に分けて解説します。

生鮮食品との組み合わせ

冷凍食品と生鮮食品を組み合わせると、栄養バランスの良い食事を簡単に作ることが可能です。冷凍野菜と生肉を炒め物や煮物に、冷凍魚と新鮮な野菜を組み合わせて焼き魚やサラダにできます。冷凍フルーツとヨーグルトでデザートやスムージー、冷凍パスタと生クリームで手軽なパスタ料理が作れます。

冷凍餃子に生野菜を添えて、バランスの取れた食事を楽しむことも可能です。

時短でできる簡単レシピ

時短でできる簡単レシピの活用で、忙しい日々の中でも栄養バランスの取れた食事を手軽に作れます。時短レシピの例は、以下のとおりです。

材料を準備して加熱するだけで完成するので、料理が苦手な人でも簡単に作れます。栄養バランスを考えながら組み合わせることが大切です。
» ご飯を作りたくないときの原因や対処法を詳しく解説！

まとめ

冷凍食品は、上手に選択し活用することで、健康的な食生活をサポートする手段となります。

個々のニーズや生活スタイルに合わせて冷凍食品を取り入れることで、効率的で栄養バランスの取れた食事が可能になります。生鮮食品と組み合わせると、より健康的に活用できます。冷凍食品は必ずしも体に悪いわけではありません。正しい知識を持ち、適切に利用し、豊かな食生活を送りましょう。