
仕事や家事に追われる中で、健康的な食生活を送ることは難しいと感じていませんか?食事の手軽さと栄養バランスの両立は多くの方にとって悩みの種です。この記事では体に良い食べ物の基礎知識から手軽に取り入れられるおすすめ食材まで詳しく解説します。
記事を読めば自分のライフスタイルや体調に合った食べ物の選び方がわかります。体に良い食べ物を手軽に準備するには冷凍野菜や缶詰などを賢く活用することがポイントです。日々の食べ物選びを見直して健康的な食生活を始めましょう。
「体に良い食べ物」の基礎知識

「体に良い食べ物」とは健康維持や病気予防のために欠かせない栄養素をバランス良く含む食品のことです。どのような栄養素が体に必要なのか、どんな基準で体に良い食べ物を選べば良いのかについて解説します。
体に良い食べ物に含まれる栄養素
健康な体を保つためには栄養バランスの取れた食事が欠かせません。体に良い食べ物には主に以下のような栄養素が含まれています。
- たんぱく質
- 脂質
- ビタミン・ミネラル
たんぱく質は筋肉や臓器、髪や爪など体のあらゆる組織を作る材料です。たんぱく質が不足すると体力や免疫力が落ちやすくなります。脂質は悪者扱いされがちですが、良質な脂質に含まれる不飽和脂肪酸は血管や脳の健康維持に有効です。
ビタミンやミネラルは体の代謝をスムーズにする働きがあり、不足すると疲労感や肌荒れが起きる場合があります。
体に良い食べ物の選び方
体に良い食べ物を選ぶ際に大切なことは栄養バランスが整っているかどうかです。食材を選ぶときはたんぱく質・脂質・炭水化物の三大栄養素に加え、ビタミンやミネラルなどの摂取も意識しましょう。主食には白米よりも玄米や雑穀米、副菜には緑黄色野菜を取り入れることで栄養のバランスが良くなります。
できるだけ自然な状態に近い食材の選択も健康的な食生活につながります。味付けされたお惣菜よりも素材そのままの食材を選びましょう。加工食品には添加物や過剰な塩分・糖分が含まれていることが多く、長期的に摂取すると健康リスクが高まる恐れがあります。
体に良い食べ物を選ぶために、原材料表示や栄養成分表を確認する習慣を持ちましょう。パッケージから糖質・脂質・塩分などが過剰でないか、添加物が多く含まれていないかをチェックできます。
忙しくても取り入れやすい体に良い食べ物

忙しい毎日でも手軽に取り入れられる体に良い食べ物は以下のとおりです。
- 魚介類の缶詰や冷凍品
- カット野菜や冷凍野菜
- 全粒穀物やナッツ
- 発酵食品
魚介類の缶詰や冷凍品
魚介類の缶詰や冷凍品は調理の手間が少なく、体に必要な栄養素を多く含んでいます。特に注目すべき栄養素が魚に含まれる「オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)」です。オメガ3脂肪酸には以下の働きがあります。
- 血液をサラサラにする
- 脳の働きをサポートする
- 生活習慣病を予防する
- 集中力を維持する
サバやイワシ、サンマなどの青魚の缶詰にはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。缶詰や冷凍魚は保存性の高さも魅力の一つです。缶詰は常温で保存できるため、非常食としても活用できます。冷凍魚をストックしておけば、忙しい毎日の心強い味方になります。
» 魚のおいしい焼き方は?調理器具や形状別に解説
» 赤魚が体に悪いと言われる理由と購入するときのポイント
カット野菜や冷凍野菜

カット野菜や冷凍野菜は栄養価が高い状態で保存されているうえに、調理にかかる手間を大幅に省けます。カット野菜は洗浄やカットが一切不要で、袋から出してすぐにサラダや炒め物に使えます。数種類の野菜が入ったミックスタイプを選べば、一度にたくさんの種類の野菜から栄養を摂ることが可能です。
ほうれん草やブロッコリーなど下処理済みの冷凍野菜はスープや付け合わせに凍ったまま使え、調理時間を大幅に短縮できます。カット野菜や冷凍野菜は必要な分だけ使えるため、食品ロスの削減にもつながります。生ごみが出ないカット野菜や冷凍野菜を使えば、調理後の片付けも楽です。
» 冷凍できる野菜一覧!おいしさを保つ秘訣を解説
» カット野菜の消費期限を解説!賞味期限との違いとは?
全粒穀物やナッツ
手軽に栄養価の高い食材を取り入れたいなら、全粒穀物やナッツがおすすめです。全粒穀物とは精製されていない穀物のことで、玄米や全粒粉パン、オートミールなどがあります。白米や食パンと比べて全粒穀物は食物繊維やビタミンB群、ミネラルが豊富です。
アーモンドやくるみ、カシューナッツなどにはビタミンEやマグネシウム、良質な脂質が含まれています。特にアーモンドには抗酸化作用のあるビタミンEが多く、老化や肌トラブルの予防にも効果的です。忙しい朝には全粒粉のパンにナッツ入りのヨーグルトを添えるだけでも栄養バランスの良い朝食になります。
発酵食品
発酵食品の最大の特徴は「善玉菌」を増やして腸内環境を整える働きがあることです。腸内には体に良い働きをする善玉菌と悪さをする悪玉菌が共存しています。発酵食品は善玉菌と悪玉菌のバランスを整え、体の内側から健康をサポートしてくれます。
ヨーグルトや納豆、味噌、キムチなどの発酵食品は体に良い食べ物として人気です。朝食にヨーグルトを加えたり、夕食に納豆や味噌汁をプラスしたりするだけでも健康的な食事になります。コンビニでも手に入りやすい無糖ヨーグルトやキムチは、外食が多い人も取り入れやすい食品です。
【栄養素別】おすすめの体に良い食べ物

栄養素ごとにおすすめの体に良い食べ物は以下のとおりです。
- たんぱく質|鶏むね肉や大豆製品
- 脂質|ナッツやオリーブオイル
- ビタミン・ミネラル|緑黄色野菜や果物
たんぱく質|鶏むね肉や大豆製品
たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、髪などをつくる材料になります。鶏むね肉は高たんぱく・低脂質で消化も良く、皮を取り除けばさらに脂質を抑えられます。レンジで蒸してサラダに加えたりスープに入れたりと、手軽に取り入れられる点も鶏むね肉をおすすめする理由の一つです。
豆腐や納豆、厚揚げ、豆乳などの大豆製品は植物性たんぱく質が豊富です。大豆製品は動物性たんぱく質に比べて脂肪分が少なく、コレステロールが気になる方でも安心して食べられます。大豆には女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンも含まれており、美容や更年期ケアにも役立ちます。
脂質|ナッツやオリーブオイル

質の良い脂質を適量摂るにはナッツやオリーブオイルがおすすめです。アーモンドやくるみなどには不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、血中コレステロールのバランスを整える働きがあります。間食やサラダのトッピングとして無塩・素焼きタイプのナッツを選ぶとより健康的です。
オリーブオイルの中でもエクストラバージンオリーブオイルは、抗酸化作用のあるオレイン酸やポリフェノールを多く含みます。オレイン酸やポリフェノールは心疾患の予防や腸内環境の改善に役立ちます。オリーブオイルをドレッシングにしたりパンにつけて食べたりすれば、無理なく日常の食事に取り入れることが可能です。
ビタミン・ミネラル|緑黄色野菜や果物
ビタミンには多くの種類があり、それぞれ働きが異なります。ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を保つのに役立ち、ビタミンCには抗酸化作用があります。血行の促進や肌の老化防止が期待できるのはビタミンEです。ビタミンはにんじん・ピーマンなどの緑黄色野菜や、キウイ・いちごといった果物から効率よく摂取可能です。
ミネラルは体内で作れないため、食べ物から摂る必要があります。カルシウムは骨や歯の形成に、鉄分は血液中の酸素を運ぶ役割に、マグネシウムは筋肉の収縮や神経の伝達に関わっています。ミネラルはほうれん草や小松菜、バナナ、干しぶどうなどから摂取可能です。
【悩み別】おすすめの体に良い食べ物

体の不調や悩みごとに摂るべき食材は変わってきます。以下の悩みに応じたおすすめの食材を紹介します。
- 免疫力アップ|発酵食品やきのこ類
- 疲労回復|豚肉や卵
- 美容|アボカドやベリー類
免疫力アップ|発酵食品やきのこ類
毎日の食事に発酵食品やきのこ類を取り入れると免疫力アップが期待できます。ヨーグルトや納豆、味噌などには善玉菌が含まれており、腸内環境を整えることが可能です。腸には免疫細胞の7割以上が集まっていると言われるため、免疫力の強化には腸内環境の改善が効果的です。
しいたけやまいたけ、エリンギ、しめじなどにはβ-グルカンが含まれており、免疫細胞の働きをサポートします。ビタミンDを含むきのこも多く、ウイルスへの抵抗力を高めます。きのこは加熱しても栄養が損なわれにくく、汁物や炒め物、煮物などさまざまな料理に使える点も魅力です。
疲労回復|豚肉や卵

疲労回復には豚肉に含まれるビタミンB1が効果的です。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える手助けをする栄養素で、不足すると疲れやすくなったり集中力が低下したりします。豚肉は炒め物や生姜焼き、しゃぶしゃぶなど調理法も豊富なため、飽きずに取り入れられます。
卵は「完全栄養食品」とも呼ばれるほど栄養バランスに優れた食材です。たんぱく質やビタミンA・D・E、鉄分、亜鉛など、体の修復や免疫機能に関わる栄養素がバランス良く含まれています。忙しい朝でも卵かけご飯やゆで卵、スクランブルエッグなどの簡単な調理で栄養を取り入れられます。
美容|アボカドやベリー類
美容のために積極的に取り入れたい食材はアボカドやベリー類です。アボカドにはビタミンEやオレイン酸、食物繊維、カリウムなどの美容に役立つ栄養素が豊富に含まれています。アボカドはサラダに加えたりトーストにのせたりとアレンジしやすい食材です。
ベリー類はポリフェノールの一種であるアントシアニンやビタミンCが豊富です。アントシアニンやビタミンCは肌のハリを保つコラーゲンの生成を助け、シミやくすみのリスクを軽減するとされています。冷凍のベリーをストックしておけば、忙しい朝でも手間をかけずに栄養を摂取することが可能です。
体に良くない食べ物との付き合い方

健康を意識するうえで大切なことは「体に良くない食べ物」とどう上手に付き合っていくかです。特に重要な以下の2点について解説します。
- 加工食品を摂りすぎない
- 飽和脂肪酸の含有量に注意する
加工食品を摂りすぎない
加工食品は便利で手軽ですが、摂りすぎると健康へのリスクが高まります。加工食品とはハムやソーセージ、スナック菓子、インスタント食品などの添加物や塩分などが加えられた食品のことです。加工食品には保存料や着色料、香料が多く使われるケースがあり、生活習慣病や内臓への負担につながる懸念点があります。
忙しい毎日の中で加工食品を完全に避けることは現実的ではありません。「摂りすぎない」ことを意識して以下の対策を試してみましょう。
- インスタント食品に野菜や卵を加える
- 加工肉は週に1~2回程度にとどめる
- スナック菓子は小袋タイプを選ぶ
無理のない範囲で加工食品と上手に付き合っていくことが、健康な毎日を送るためのコツです。
» 食品添加物の危険性や控えるべき添加物を解説
飽和脂肪酸の含有量に注意する
飽和脂肪酸は主にバターやラード、牛脂、乳製品、加工肉、スナック菓子などに多く含まれる脂質の一種です。飽和脂肪酸を摂りすぎると血中の悪玉コレステロールが増え、動脈硬化や高血圧、心疾患のリスクを高めます。特に外食や市販の菓子パン、揚げ物をよく食べる方は注意が必要です。
健康的な食生活を送るには脂質の質を見直したり、調理方法を工夫したりしましょう。脂身の少ない鶏むね肉や豚ヒレ肉を選び、乳製品を低脂肪タイプに切り替えることで飽和脂肪酸の摂取量を減らせます。揚げ物の代わりに蒸す・焼く・煮るといった調理法に変えるだけでも、余分な脂質をカットできます。
体に良い食べ物に関するよくある疑問

体に良い食べ物を選ぶ際に感じる以下の疑問に回答します。
- どのくらいの頻度で取り入れるべき?
- 持病がある場合の注意点は?
- 食べ過ぎに注意したい食べ物は?
どのくらいの頻度で取り入れるべき?
体に良い食べ物は毎日の食事の中に少しずつ取り入れることが理想です。野菜は1日350gを目安に、主菜や副菜に分けて少しずつ取り入れましょう。発酵食品であれば納豆やヨーグルトを1日1品取り入れる程度で十分です。
魚やナッツなど脂質の多い食品の摂取は、週に数回のペースが適切です。青魚は週2〜3回、ナッツは1日20〜30gまでを目安にしましょう。お菓子や甘い飲み物の代わりに、果物やナッツを摂ることがおすすめです。忙しい方は1週間単位でバランスを取るように意識してみてください。
持病がある場合の注意点は?

体に良い食べ物でも、体質や病状によっては逆効果になる可能性があります。疾患別の注意点は以下のとおりです。
- 高血圧:塩分の多い発酵食品を控える
- 糖尿病:果糖の多い果物の摂取量を控えめにする
- 腎臓疾患:野菜や果物に含まれるカリウムやリンの摂取量に注意する
持病がある場合は「体に良い」とされる食べ物でも注意が必要です。健康情報に振り回されず、自分の体の状態や医師・管理栄養士の指導に沿って食材を選びましょう。
食べ過ぎに注意したい食べ物は?
体に良い食べ物でも、食べ過ぎると健康に悪影響を及ぼします。ナッツは良質な脂質やビタミンE、食物繊維を含む体に良い食材ですが、高カロリーでもあります。ナッツを食べ過ぎると脂質やエネルギーの摂り過ぎになり、体重増加につながるため注意しましょう。
フルーツは食べ過ぎると血糖値が急上昇しやすくなります。ジュースやスムージーは糖分を一度に大量摂取しやすいため、飲みすぎには注意しましょう。発酵食品には塩分が多く含まれるものもあるため、高血圧や腎臓疾患のある方は控えめにしてください。
体に良い食べ物で健康な毎日を目指そう

普段の食事に手軽に取り入れられる、体に良い食べ物はたくさんあります。魚の缶詰やカット野菜を使えば、忙しい日でも手間をかけずに栄養をしっかり摂ることが可能です。ナッツや発酵食品のように調理がいらないものなら、毎日の食事に足すだけで栄養バランスを整えられます。
最初から完璧な食生活を目指す必要はありません。続けやすく自分の生活に合った体に良い食べ物を見つけ、今日の食事から少しずつ取り入れてみてください。